地理学科の教育理念・目的
欧米で「諸科学の母」と位置づけられる地理学は、現代ではまた、地球環境問題に深く関わる総合科学として高い評価を得ている。地理学が「旧くて新しい学問」と言われるゆえんである。
人間が生活の場としているこの地球表面付近において生起する自然的・人文的諸事象を時間的・空間的な分布現象として捉え、それらに対して周辺諸科学と関わりながら、科学的な視点からアプローチを試みるのが「地理学」である。
本学科では、この総合科学としての「地理学」の学習を通して、現代社会において今後とも一層その存在が期待される「地理学」的な物の見方・考え方やその素養を獲得することによって、多様な社会に貢献できる有能な人材を育成する。
地理学科の教育目標
地理学科は、学科が提供するカリキュラムの下、以下に示すような人材を育成する。
1. 地理学の方法論を学ぶことによって地理学的視点から「地域の特
性」を理解する能力をもった人材。
2. 地理学的見方・考え方から得られた「地域の特性」を自ら社会に
発信する意欲をもった人材。
3. 目の前にある「社会的な問題」に対し、自ら率先して取り組み、解
決する能力を持った人材。
地理学科のポリシー
●ディプロマ・ポリシー
(学位授与の方針)
地理学科は、地理学科のカリキュラムのもと所定の単位を修得し、以下に示す水準に達した学生に対して、「学士(文学)」の授与を認める。
1.人間の生活の舞台である地球表層の自然環境や人文・社会環境について基礎的な知識を身に付け、地理的諸事象の基本的メカニズムを理解しているとともに、幅広い教養も身につけている。
2.地理学的な思考力やものの見方を身に付け、それらに基づく研究方法を用いて考察することができる。
3.地理学の知をもって社会の諸問題に関心を持ち、他者の声に耳を傾け、自分の考えを口頭表現や文章表現によって的確に発信することができる能力、地域社会のニーズに応えられる能力、および諸問題を解決する能力を身に付けている。
●カリキュラム・ポリシー
(教育課程の編成・実施方針)
地理学科では、教育目標と学位授与方針にそって、以下に示す教育課程を編成している。
1. 幅広い知識や教養を涵養するため、市ヶ谷キャンパスのリベラルアーツ科目の単位を卒業所要単位に含めている。また、1年次には「基礎ゼミ」で、大学での学習方法の基礎・基本を身に付けさせる。
2. 地理学科の専門科目は、1年次では入門的な科目、2年次以降
は地理学の様々な分野の基礎的知識を身につけるため各論科目が配置されている。また、主に3年次以降において、地理学の方法論や研究法を身に付ける、演習や実習科目が配置されている。
3. フィールドワークを通じて地域の実態を調査し、その結果をもとにレポートを作成することによって、調査技能、研究方法および文章表現能力を身に付けさせる「現地研究」が必修科目の一つして配置されている。
4. プレゼンテーションや討論を通して、地理学の研究手法や体系を学び、問題解決能力や卒業論文作成の基礎的能力を身に付けるため、演習(ゼミ)が配置されている。
5. 課題を発見し検証していく思考力や表現力を涵養するため、「卒業論文」を4年間の集大成として位置づけている。優秀な学生が早期に研究活動に専念できるよう、3年次で早期卒業し大学院修士課程へ進学する5年一環プログラムも用意されている。
●アドミッション・ポリシー
(学生の受け入れ方針)
※A方式入試、T日程入試、大学入試センター試験利用入試、指定校推薦入試、付属校推薦入試、スポーツに優れた者の特別推薦入試、自己推薦入試、外国人留学生入試、帰国生入試。
1. 高等学校で履修する国語、外国語、地理、歴史、公民、数学、理科等について、卒業が認められる水準で教科内容を理解している。
2. 入学後の修学・研究に必要とされる基礎的な知識・教養を有している。
3. 論理的な思考ができ、自分の考えを明快に表現することができる。
4. 地理学科の専門分野に深い関心をもち、強い学習意欲がある。